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コラム

2018年広告業界予測

2018年02月16日   
アンルーリージャパン代表取締役 香川晴代

2017年、広告業界で話題をさらったのは、ブランドセーフティと透明性。スマートスピーカーを始め、人工知能(AI)搭載機器がマーケターの想像力をかきたてた年でもありました。2018年の広告業界は、どのようになるのでしょう。Ad Ageが選ぶ世界の広告主トップ100社のうち、91%と取引のあるアンルーリーが、最近の発注傾向などから、2018年の動向について予測します。

スマートデバイスの普及によるブランドの新たな闘い

消費者の購入意思決定に、スマートデバイスが影響を及ぼすようになっています。
音声検索の普及により、消費者に選ばれるブランドになる必要性がますます高まります。音声検索を使い、デバイスに向かって「買い物カゴにシャンプーを入れて」とブランド名を言わずに指示すると、その人の嗜好に関係なく、アルゴリズムがどのシャンプーを注文するかを決めてしまうからです。企業にとっては、消費者の心に訴えかけ、ブランド名の記憶を促すキャンペーンが重要になると予想されます。サービス、商品名を音声や効果音でアピールするサウンド・ブランディングを使うと、ブランド名の記憶率が96%と高くなる(出典:レスター大学)ため、サウンドロゴを耳にする機会も増えるでしょう。

ステレオタイプ(社会的固定観念)の撤廃

ユニリーバは、昨年、女性または男性に対するステレオタイプ的な描写を無くした#UNSTREOTYPEキャンペーンを始めました。同社の食品ブランドの広告では、料理は女性だけでなく男性にとっても料理は楽しめるものだというメッセージを発信し、また、男性用化粧品Lynx(日本ではAXE)の広告では男性は勇ましくあるべき、といった固定観念を打ち破るキャンペーンを実施しています。既にAT&T、 ジョンソン・エンド・ジョンソン、Microsoftなどが賛同していますが、2018年にはこの動きに倣う大手企業が増え、このような広告表現の改革は消費者から信頼を得、ブランド・ロイヤリティを高める上で重要になるでしょう。
しかし、社会的固定観念を排除したクリエイティブだけでは十分ではありません。
効果的なキャンペーンを実施したいなら、広告配信方法からも固定観念を排する必要があるでしょう。つまり、単純にデモグラフィック属性でターゲットを絞るのではなく、消費者の感情や人格タイプを基にターゲットするということです。アンルーリーでは、年齢、性別、職業、関心といったターゲティング項目に加え、誠実な性格か、協調性に富むか、情緒的な人なのかといったパーソナリティを加味して広告配信する手法を開発し、広告効果を高めています。これは、アンルーリーとIBM Watsonとの技術提携により、サイコグラフィック属性、つまり消費者の心理的な傾向を軸にしたセグメンテーションと、広告配信ターゲティングを実現したものです。

プレミアムメディアの回帰 – 信頼性へのニーズ

2018年は、ブランドセーフティとアドベリフィケーションを追求するプレミアムサイトが、市場の不均衡を是正し、成長を遂げると予想されます。2017年には、パブリッシャーからの批判に応える形で、Googleがファースト・クリック・フリー制度(検索結果に表示された課金コンテンツをクリックすることで、非課金のユーザーでも無料で全文を閲読できる)の撤廃を発表しました。今後、より多くのパブリッシャーが協力し、プレミアムサイト市場の形成に取り組むでしょう。

AR(拡張現実)が販売を支援する

消費者が製品のバーチャル版を試せるAR(拡張現実)アプリを作る企業が増えるでしょう。例えば、IKEAは購入検討中の商品が自宅に合うかどうかを確認し、すぐに購入できる「買う前に試せる」バーチャルアプリを出しました。特に、化粧品やファッションブランドでの導入が進む他、これまでは広告でショールームへ見込み客を誘導し、製品を体験してもらうよう促してきた自動車メーカーでも、バーチャルアプリの活用が進むでしょう。モバイルAR技術の進化により、アプリを通して仮想現実の車を眺め、操作するといった新たな購入体験を生もうとする企業が増えるでしょう。

パーソナライゼーションの進化

マシーンラーニング技術の発達で、2018年にはマーケティングにおけるAIとデータ活用が進み、よりパーソナルな体験を提供できるようになるでしょう。昨年、トヨタは絵文字ターゲティングを活用した動画キャンペ-ンを実施。消費者がSNSで利用している絵文字から、その瞬間どんな気分なのかを推察し、それぞれの人の気分にマッチした動画を見せました。ディズニーワールドでは、マジックバンドと呼ばれる手首につけるウェアブル端末を使って、来場者の園内での行動をトラッキングし、ミッキーマウスがゲストを名前で呼んで挨拶したり、予約時に注文した料理がテーブルに運ばれてくるなどパーソナライズしたサービスを提供。2018年には、テクノロジ企業はさらにパーソナライゼーションを進化させると予想します。

Profileライタープロフィール

香川 晴代(かがわ はるよ)

アンルーリージャパン代表取締役

2002年よりオーバーチュア(現ヤフージャパン)、アマゾンジャパンにて、日本 での広告事業立ち上げに関わり、広告営業、事業開発部門の管理職を歴任。
フェイスブックジャパンにて執行役員として勤務した後、動画マーケティングの 大きな可能性に惹かれ、2015年6月に動画アドテクノロジーのアンルーリーへ。

アンルーリーは、創業以来10年間、3兆ビューの動画データを保有し、さらに動画 に対する100万人の消費者心理データを蓄積。このデータを活かして、TAG Tier1の 認定を受けたブランドセーフな動画配信ネットワークの運営と、ターゲットの心を 動かす動画コンテンツ制作のコンサルテーションを提供しています。
Ad Ageが選ぶ広告主 100社の91%がアンルーリーを利用しています。
https://jp.unruly.co/

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