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コラム

「明治R-1 令和 お祝いボトル投稿キャンペーン」のストーリー

2019年6月19日   
川上徹也

企業が生活者とコミュニケーションしていくには、何よりも「ストーリー」が重要です。この場合の「ストーリー」とは、相手の感情を動かすエピソードや仕組みを指します。


5月1日、年号が「平成」から「令和」に変わりました。
今回は1カ月前に新年号が発表され、生前退位であらかじめ改元のタイミングがわかっていたこともあり、いろいろな企業によって「令和キャンペーン」が実施されました。


4月1日の発表直後には、どんな年号でも対応できるように周到に準備しておいて、新年号キャンペーンを実施した会社もありました。


中でも話題になったのは、「明治プロビオヨーグルトR-1」が実施した「祝・令和元年“令和 お祝いボトル”投稿キャンペーン」でした。


「令和」という新年号が発表された時、SNSで「令和の頭文字はRだから、略したら令和元年はR1だ」「つまり明治R-1の年」「ヨーグルトの年でカラダによさそうかも」などと大きな盛り上がりをみせました。


さらに改元が近づくと「平成最後の昭和の日(4/29)、JR大正駅で明治のR-1を飲む」という行動がSNSで話題になりました。


この中には、「明治」「大正」「昭和」「平成」、そしてR-1が示す「令和」が含まれており、元号が5つ並んでいるというのです。


そのようなSNSでの盛り上がりを受けて、明治は急遽、ドリンクタイプで数量限定の「令和元年 令和お祝いボトル」製作し、5月1日から発売することにしました。
ゴールド地に「祝・令和元年」とデザインされた特別なR-1です。


さらに同日から「祝・令和元年“令和 お祝いボトル”投稿キャンペーン」を実施。
“令和 お祝いボトル”と一緒にお祝いしている写真をツイッター、またはインスタグラムに投稿すると、抽選でアマゾンギフト券2000円分を200名にプレゼントする企画です。


この企画により、多くの人がSNSに「R-1令和限定ボトル」の写真を投稿しました。
では、なぜこのキャンペーンは多くの生活者から支持されたのでしょうか?


SNSでの盛り上がりに応えるカタチで、限定ボトルやキャンペーンを実施したことに好感がもたれたのです。
新年号のお祝い気分がそれに拍車をかけました。


また、明治R-1のCMキャラクターを務める吉田沙保里さんと大森南朋さんがナビゲーターとなり、平成最後のCM枠と令和最初のCM枠を活用して新年号をお祝いする「元号またぎCM」を急遽制作し、話題を盛り上げました。


このように、優れたコミュニケーションには必ずストーリーがあります。
あなたの会社のコミュニケーションには、インタラクティブなストーリーがありますか?


Profileライタープロフィール

川上徹也(かわかみ てつや)

広告代理店勤務を経て、コピーライターとして独立。最近は広告制作に留まらず、「ストーリーブランディング」の第一人者として、様々な企業のコミュニケーション戦略をサポートしている。最新刊は、『売らない売り方』(日経ビジネス人文庫)

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